のこと、

7月

泣く子をあやす母親の声が夕暮れに聞こえて、煩さと煩わしさとを私から遠ざけている。

通りかかる知らない子供が、私にあめをくれる。

「おいちゃんもう泣くのやめるよ、」

そう言う間もなく、知った子供は父親に手を引かれ、ちらちらと後ろを気にしながら去っていく。

しようがなく、眼についた野良猫に独り言を言う。

大凡、往々にして、そんな毎日である。

つまり、夏の夕暮れと猫はよい。酒とつまみがあるとなおよい。

外で飲むと気持ちがよい。